ノマドな海外移住計画
歩き続けること
公開日:2018.10.31
/ 最終更新日:
モンゴル

モンゴルの遊牧民が暮らす家(ゲル)は丸い形のものだけじゃない!遊牧民の住まいについて詳しく見てみる

モンゴルのゲル

モンゴルの遊牧民といえば、丸い移動式の家を思い浮かべる方も多いはず。
この家をモンゴル語で「гэр(ゲル)」と言います。
※時々「パオ」という人もいますが、それは中国語の名前です。

しかし実は、全ての遊牧民が丸い移動式のゲルに住んでいるわけではありません。
建てたきり動かせない木造のゲルや、形の違うゲルに住む遊牧民たちもいます。

今回は一般的なゲルのほか、北部の「ちょっとイメージと違う?」遊牧民たちのゲルをご紹介します。

よく見かける丸いゲル

一般的なモンゴル遊牧民の家といえばこれ。

ゲルを組み立てている途中

ゲルは木組みの周囲に羊の毛などで作った布を巻いて組み立てます。
(本来は床部分に布を引いてから周囲を立てていくようです)

ゲルの中の家具配置

ゲルの中に何をどう置くのか、は概ね決まっています。
私は遊牧民の家庭をなんどか訪ねたことがあるのですが、やはりほとんど家具の配置は同じでした。

イラストはこちらより引用
家の最奥に置かれる祭壇

神聖な火を灯すかまど

必ずゲルの中心に置かれるかまど(ストーブ)。
厳しい自然の中で生き抜くために、火はなくてはならないものです。

遊牧民たちはかまどの火を神聖視しており、ゴミなどは決して入れません。
(私はそのことを知らなかったころ、燃料になると思って紙ごみをかまどに入れようとしたことがあるのですが、その時は周囲の大人にしっかり叱られました)

その火を灯すための燃料は家畜の糞です。
家畜の糞が燃えるときの独特な匂いが「故郷の匂い」であるモンゴル人も多いそうです。

余談ですが、遊牧民は家畜の糞を素手で集めます。
彼ら曰く、人含め肉食/雑食動物の排泄物は様々なものが混じってて汚いが、家畜は草食動物だから糞も綺麗のため、素手で触っても平気らしいです。

科学的に「綺麗か否か」は横に置いておくとして、文化的な「清潔さ」に対する考え方も日本とは全く異なりますね。

モンゴル北部の木造ゲル

森林地帯であるメリット

モンゴルといえば、地平線まで障害物なく広がる平坦な土地をイメージする方も多いと思います。
南部に広がるゴビ砂漠をイメージする人もいるかもしれません。

しかし、モンゴル北部は比較的起伏が激しく、森林地帯となっています。
そのため木材が容易に入手できるので、北部には木造の家で生活する遊牧民たちがいます。

私がホームステイしたホブスゴル県の遊牧民家庭も木造ゲルに住んでいました。

家具などの配置

木造のゲルでは形が統一されていないので、家ごとに配置は少しずつ形に合わせてアレンジされていました。
しかし、中央にかまどを置き、扉と反対の場所に祭壇を置くというのは概ね踏襲されていました

家畜の糞を使わない場合も

北部では、かまどの火を灯すための燃料として家畜の糞は使わないケースもあります。
周囲の森から木材を切り出し、その薪を燃やして火をつけていました。

トナカイで遊牧する人たちのゲル

実は、モンゴル国内でも少数派ですが、トナカイを連れて遊牧する人たちもいます。
モンゴル北部の厳しい寒さの中でも生活していける手段として、ヒツジやヤギではなくトナカイを選択して生きてきた人たちです。

彼らのゲルは少し異なっており、かなり縦にとんがっている形をしています。

残念ながら中には入ったことがないので、中の家具配置などがどうなっているか詳細は不明です。

番外編:ウランバートル郊外のゲル

ロシア風の建築物が立ち並ぶウランバートルの郊外には、市街地に住めない比較的貧しい人達が暮らすエリアが広がっています。

山の斜面を簡易的にトタンで区切っただけの区画に、ところどころゲルが立ち並んでいます。

正直上下水道などのインフラも不十分で、ゴミがうずたかく積まれたまま放置されている場所があったりして、かなり雑然としたエリアです。

そこで暮らす人たちの中には、田舎での生活(遊牧生活)に別れを告げ、都市での成功を夢見て上京してきた人も大勢います。

現代において、遊牧しない人たちの拠り所としてもゲルはまだまだ使われているようです。